WEBディレクションができるデザイナー最強説!
この数年、AIの発達が加速しています。
WEB制作の世界も、いづれノーコード開発ツール(プログラミングの知識がなくても操作ができるツール)が主流になると言われています。頑張っているビギナーWEBデザイナーさんの水を差すつもりはないのですが、WEBデザインのスキルだけでは難しくなっていく可能性がゼロではありません。
その時のために、今からWEBデザインの経験を積むと同時に、WEBディレクションも経験してスキルアップしていきませんか。WEBディレクターには制作の知識も必要なのでWEBディレクションができるデザイナーなら最強です!
現在WEBディレクターは人材が不足しています。この先どんなにAIが発達しても、お客様の要望を聞いたり進捗状況に合わせてスケジュールを進行していくのは当分人間しかできないと思うので、WEBディレクターの仕事はこの先も長く需要があるでしょう。
この記事では、リアルなWEBディレクターの仕事を紹介していきますので、興味のあるWEBデザイナーさんには将来のための準備に役立てていただけると思います。
Contents
WEBディレクターに必要な能力
1.技術知識
WEBディレクターは、技術的なことがまったく分からなくてはチームメンバーに適切な指示を出せないし、クライアントの要望があったときにすぐに返事をすることもできません。そのため、ある程度の技術的な知識が必要。その点、WEBデザイナーが兼任するのは適しています。
2.コミュニケーション能力
多くのトラブルの原因が、意思疎通ができていないこと。自分がわかりきっている事でも、チームメンバーは同じように思っていない場合もあります。クライアントやチームメンバーとのコミュニケーションを随時とりながら進行できる能力が求められます。
WEBディレクターの仕事
WEBディレクターの主な業務は、クライアントとのやりとり、スケジュールの進行管理、コンテンツの品質管理、制作メンバーへの指示など多岐にわたります。
WEBディレクションについては、案件規模や状況により業務範囲も様々ですので、ここでは筆者のディレクション方法をご紹介したいと思います。制作期間半年以内で、3~4人のチーム構成の場合を紹介しますので、割と身近な感覚で読んでいただけるかなと思います。
1.クライアントとの打ち合わせ
アジェンダ(議題)を準備
会議が長引き、最終的に肝心なことを聞き忘れた!!なんて事を避けるために、簡単な箇条書きでよいのでアジェンダを作り、それに沿って打ち合わせを進めます。アジェンダがあると、効率的に会議が進み時間短縮に役立ちます。
議事録をとる
メールやチャットのやりとりであれば証拠が残りますが、対面のミーティングでは、言った言わないという事が必ず起こります。ミーティングの内容をメモし、ミーティング後に議事録を作成、クライアントとチームメンバーと共有し確認をとり、齟齬があれば都度訂正して共有します。
この議事録は、小規模案件でも作成することをお勧めします!
2. スケジュール作成
ガントチャート
WEBサイトのスケジュール管理をするなら、なんと言ってもガントチャートが便利です!
ガントチャートとは横向きのタイムライン型の棒グラフで、横がプロジェクトプランの時間を表し、縦に作業工程をいれる形のスケジュール表です。
私もガントチャートの無料ツールを探してみましたが、英語だったり、使いにくかったりとどれもイマイチでした。そこで、今はエクセルで作ったガントチャートスケジュールをGoogleドライブにインポートして、クライアントやチームと共有しています。
Macの方は、NumbersでもOKです。
3.デザイン・コーディング・システムの進行管理
チャットワーク
チームメンバーへの指示・やりとりは、チャットワークを使っています。タスクを設置したり、共有データを管理したり、チャットルームを分けて設定できるので、まだ使っていない人は無料ですしお勧めです。
無料プランはグループチャットに制限がありますので、私はグループチャット無制限の月額400円プランを使っています。他にもラインワークスや、Slack(スラック)などのビジネスチャット用ツールもあるので、自分の仕事スタイルに合ったものを選びましょう。
Googleスプレットシート
クライアントと共有するスケジュールとは別に、チームメンバー間の作業工程表としてGoogleスプレットシートを使っています。
スプレットシートの上から順に期日・工程・担当を記載していき、それぞれに指示を細かく書き込むこともできます。進行中、未対応を色分けして、済んだ工程は折りたたんでいくので、どこまで作業が進んでいるかを一目で把握できます。
このように、高機能なツールがなくても、Googleドライブを工夫して使う事で、効率的にスムーズに進行管理をすることが可能です。無料で使えるGoogleのツールは、私たちの強い味方ですね!
4.検証
制作チームが完成させたデータはチーム内で確認後、クライアントに提出する前に、WEBディレクターもチェックします。チームの確認は自分の制作した部分だけなので、WEBディレクターは全体を俯瞰して確認しなければなりません。システムの検証は時間がかかるので、余裕をもってスケジュールを組みます。
クライアントに提出後に、時間のかかる改修が入ったときは、後半のスケジュールも鑑みて、どのタイミングで修正を行うかも判断します。
5.納品
納品(公開)前に、リニューアル案件で重要な作業があります。
リニューアル案件では、大幅なサイト構成の変更になることがほとんどなので、旧サイトのURLが変わりますので、リダイレクト設定を必ず行いましょう。ページ数の多い場合はピックアップが大変ですが、この作業をしっかりやっておけば、まずアクセス数が落ちることはありません。
Googleの検索結果に新サイトが反映されるには少し時間がかかることを、クライアントに説明しておきましょう。公開後しばらくの間は、不具合がないか、新サイトが反映されているかなど、しっかりチェックを行います。
WEBディレクションの重要性
私たちが個人で外注としてWEB制作を受ける場合、「孫請け」どころか、「ひ孫請け」のケースもあります。
企業 → 広告代理店 → マーケティング会社(下請け) → 制作会社(孫請け)→ フリーランス制作者(ひ孫請け)
え?制作会社なのに、制作しないんですか?と思うのですが、外注で成り立っている制作会社の中には、WEBの知識が低いまま仲介的にマーケティングやWEB制作を請け負っている会社も多々あり。
そんな制作会社から仕事を受けると、的確な指示が無くスケジュール表すら提供されないことも。デザインやコーディングが完成してから大幅な修正指示があったり、何度もバラバラと細かい修正指示があり先祖返りトラブルの原因となったり。効率的な進行管理ができないディレクターのもとでは、制作作業に2倍3倍の労力がかかり非効率きわまりないことになります。
どんな素晴らしいデザイナーやエンジニアのチームでも、WEBディレクターがこのようなディレクションをしていては台無しです。案件が成功するか否かは、WEBディレクターにかかっているといっても過言ではないと思います。
まとめ: WEBディレクターの需要
冒頭でもお話しましたが、WEBディレクターはある程度の技術知識に加えコミュニケーション力も必要なため、誰にでもできるわけでなく人材が不足し、どの求人サイトも多く求められています。
何年か先には、ノーコード開発ツールが主流になり、現在数百万かかる開発も数十万でできる世界がくると思います。もちろん制作の道を究めるのも大切ですが、制作分野はハイレベルの人材が豊富にいますので、その人たちと差別化を図る意味でもWEBディレクションができると強いですよね。
この記事は、筆者の場合のWEBディレクション方法ですが、本格的なWEBディレクションについてを知って欲しいのでお勧めの本を紹介します。
Webディレクションの新・標準ルール 改訂第2版 現場の効率をアップする最新ワークフローとマネジメント
この本の初版を筆者も買い、何度も読んで参考にしました。こちらは改訂第2版なので、最新のものです。
現場のプロが教えるWebディレクションの最新常識 知らないと困るWebデザインの新ルール2
この本は少し前のものですが、デレクションの場合基本は変わりません。
独学は難しいという方は、スクールに通う方法もあります。
例えば、テックアカデミーなら、期間内に提案書、ワイヤーフレーム、設計書の作成を行うなど、実務に近い形で学習することで、社会でも通用するスキルが身につきます。
4週間プランで174,900円ですが、制作費にデレクション費が加わることを考えると、小規模案件でも2〜3こなせば元がとれますよ。
テックアカデミー
皆さんも、最強の「WEBディレクションができるデザイナー」を目指しませんか?
投稿者プロフィール

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仕事内容:制作ディレクション・WEBデザイン
クライアント:システム開発会社・WEB制作会社
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